東近江市議会 2021-03-25
令和 3年 3月定例会(第 5号 3月25日)
また、
一般会計からの繰入れが多い半面、基金の取崩しが少ないということは、さらに保険料を引き下げることができるのではとの質問があり、担当者から、保険料については、基金を取り崩して、5,200円に据え置いております。基金の取崩しについては、第7期で積み立てたものを第8期の3年間で取り崩して、
保険料上昇抑制に充てる計画をしておりますとの答弁がありました。
議案第8号、令和3年度東近江市
農業集落排水事業特別会計予算及び議案第9号、令和3年度東近江市
公設地方卸売市場特別会計予算については、特に質疑はありませんでした。
次に、議案第10号、令和3年度東近江市
水道事業会計予算については、委員から、長峰の配水池に施設整備を行う理由はとの質問があり、担当者から、震災等に備え、給水拠点となるよう耐震工事を行っています。また、高低差が不足することから、給水圧を高めるため、ポンプ棟を整備する予定ですとの答弁がありました。
次に、議案第11号、令和3年度東近江市
下水道事業会計予算については、
収益的支出の
流域下水道維持管理負担金についての質疑がございました。
最後に、議案第12号、令和3年度東近江市
病院事業会計予算については、発熱外来における
PCR検査数や、
能登川保健センターの財産区分についての質疑がありました。
それぞれの分科会で多岐にわたる質疑の中から、主なものについての御報告とさせていただきました。
以上で、審査結果の報告を終わります。
○議長(市木 徹) 委員長の報告は終わりました。
委員長の報告に対し質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 質疑なしと認め、質疑を終結します。
次に、議案第13号並びに
意見書案第1号及び
意見書案第2号について、
総務常任委員会委員長の報告を求めます。
総務常任委員会委員長、
田井中議員。
○
総務常任委員長(田井中丈三議員) 本定例会におきまして、
総務常任委員会に付託を受けました議案1件、
意見書案2件について、3月17日に委員会を開き、慎重に審査をいたしましたので、その結果を御報告申し上げます。
議案審査の結果でありますが、議案第13号、東近江市税条例の一部を改正する条例の制定についてにつきましては、全
委員賛成で、原案のとおり可決すべきものと決しました。
審査の主な内容として、議案第13号につきましては、
地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律の一部改正による総務省令の一部を改正されたことにより、その引用部分を改正するものであり、特に質疑はありませんでした。
次に、
意見書案2件の審査結果を御報告申し上げます。
意見書案第1号、衆議院小選挙区の
区割り再考を求める意見書についてにつきましては、全
委員賛成で、原案のとおり可決すべきものと決しました。
意見書案第1号について、委員から、平成29年の
緊急是正法に基づく法律が一部改定され、13都道府県で区割りが変更されたが、本県はなぜ見直しがされなかったのか。この小選挙区制が続く限りは、この問題は続くのかとの質問があり、説明者からは、平成29年の
緊急是正法に基づく改定の本来の趣旨が、1票の格差を是正するためで、このときの議論には、分割された市区町村の改定は上がりませんでした。このまま見直しをされないと、小選挙区が続く限り是正されないということだと思いますが、この制度の
区画審議会が継続して行われているので、令和2年の国勢調査を機に是正されるよう訴えるべきと考え、この意見書を提案しましたとの答弁がありました。
次に、
意見書案第2号、元慰安婦等による
日本政府に対する
損害賠償請求訴訟に関する
韓国ソウル中央地方裁判所の判決に対し断固たる措置を求める意見書については、賛成多数により、原案のとおり可決すべきものと決しました。
審査の主な内容として、委員から、
日韓請求権協定で、両国間の請求権の問題が、完全かつ最終的に解決されたと述べていることについて、国家間での請求権の問題が解決されたとしても、個人の請求権を消滅することはない。このことは
日本政府自身が繰り返し明言したことであるとの認識をしているが、いかがかとの質問があり、説明者から、国際法上、主権免除の原則から、
日本政府が韓国側の裁判権に服することは認められないという立場であり、
日本国政府としても、このような見解であると認識していますとの答弁がありました。
また、委員から、強制連行といった事実は確認されておらずというのは、強制連行はないという意味か、分からないという立場なのかとの質問があり、説明者から、吉田清治氏の証言をもとに、朝日新聞は、そういうことがあったということを書き立てました。しかし、最終的には、事実誤認であったと訂正しました。一方で、挺対協という韓国組織と、韓国の大学の教授が、3年間にわたって調べた結果、強制的に拉致したことは認められなかったという報告があります。このようなことから、強制連行したというようなことはなかったと私は感じておりますとの答弁がありました。
また、委員から、第2次世界大戦後、国家の重要な人権侵害は、主権免除の法理の例外とする考え方が世界の潮流になっているのをどう考えるのかとの質問があり、説明者から、ドイツの
ナチス被害に対する8か国の裁判で、
ICT国際司法裁判所の判決まで考慮すると、1国のみ主権免除を否定する判決であった。世界の潮流はどうかなと感じるとの答弁がありました。
次に、
委員間討論を行い、まず反対意見として、委員から、上段の部分の
日韓請求権協定は当然だと思う。しかし、後半部分のやったかやってないかという議論は、すごく嫌悪感を感じる。そんな議論はするべきではないとの意見や、被害女性への重大な人権侵害の事実を認めて、被害者が納得できる形を取っていただきたいし、人権回復をしていただきたいとの意見がありました。
また、賛成の意見として、委員から、人権・女性蔑視と言われるが、この意見書だけで見させてもらうと、そういったことも踏まえて、国と国とが交わした約束は大切だという意見。この意見書の
日韓請求権協定や日韓合意での事実に基づき、
日本政府、日本国民の資産が侵害される状況に備えるというところが重要だと思う。今回の判決については、日韓両政府が努力してたどり着いた合意を完全に無視するもので、ここが一番問題な部分です。共産党を除く主な野党も、到底受け入れられないというような方向の声明を発表しているという意見や、十分、今日まで譲歩してきたように思う。子の代、孫の代まで、より未来的な関係を築く必要があるとの意見がありました。
以上で、
総務常任委員会の審査結果の報告を終わります。
○議長(市木 徹) 委員長の報告は終わりました。
委員長の報告に対し質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 質疑なしと認め、質疑を終結します。
次に、議案第14号から議案第18号までについて、
福祉教育こども常任委員会委員長の報告を求めます。
福祉教育こども常任委員会委員長、戸嶋議員。
○
福祉教育こども常任委員長(
戸嶋幸司議員) 本定例会におきまして、
福祉教育こども常任委員会に付託を受けました議案5件について、3月17日と18日に委員会を開き、慎重に審査いたしましたので、その結果を御報告申し上げます。
議案審査の結果でありますが、議案第14号、東近江市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について、議案第15号、東近江市保育の必要性の認定に関する条例及び東近江市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について、議案第16号、東近江市病児保育室条例の一部を改正する条例の制定について、議案第17号、東近江市歴史文化芸術振興基金条例の制定について、議案第18号、東近江市体育施設条例の一部を改正する条例の制定について、以上5件につきましては、全
委員賛成で、原案のとおり可決すべきものと決しました。
審査の主な内容として、まず議案第14号、東近江市介護保険条例の一部を改正する条例の制定については、委員から、介護保険料収入にどれくらいの影響が出るのかとの質問があり、担当者から、令和3年度の介護保険料収入については、前年度と比較して若干増える程度となりますとの答弁がありました。
また、委員から、基準所得金額の区分見直しについては、東近江市だけではなく、全国で12段階に変更されるのかとの質問があり、担当者から、料率の段階見直しについて、国は9段階ですが、滋賀県内の状況については、13段階が4市、12段階が4市5町、11段階が3市という状況になっておりますとの答弁がありました。
また、委員から、第4段階、第6段階の保険料の軽減を図るために、所得の高い方の負担が増えるのかとの質問があり、担当者から、第4段階、第6段階の保険料の軽減を図るために、所得段階を多段階化して、負担能力に応じた保険料を設定しましたとの答弁がありました。
次に、議案第15号、東近江市保育の必要性の認定に関する条例及び東近江市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定については、委員から、具体的な変更内容はとの質問があり、担当者から、他市の子どもが東近江市の施設を利用する場合、他市も東近江市の施設を確認する必要がありましたが、今回の改正により、東近江市が市内の施設を確認している場合は確認手続が不要となりますとの答弁がありました。
次に、議案第16号、東近江市病児保育室条例の一部を改正する条例の制定については、委員から、現在の利用者数と今後の利用者数の見込みはとの質問があり、担当者から、令和元年度の利用者数は23名であり、令和3年度は50名程度の利用を見込んでおりますとの答弁がありました。
また、委員から、市内には、「病後児対応型」と「病児対応型」の病児保育室があるため、市民及び転入希望者にとって分かりやすい周知をしてほしいとの意見がありました。
次に、議案第17号、東近江市歴史文化芸術振興基金条例の制定については、委員から、ふるさと寄附などを活用して、今後、基金を積み立てていく取組を検討していただきたいとの意見がありました。
次に、議案第18号、東近江市体育施設条例の一部を改正する条例の制定については、委員から、電光掲示板の運営に伴い、人的な配置は増えるのかとの質問があり、担当者から、人的な増員などはなく、電光掲示板の操作等については、指定管理者が責任を持って行いますとの答弁がありました。
また、委員から、電光掲示板の使用料1万円でどこまで対応してもらえるのかとの質問があり、担当者から、電光掲示板に映す操作は指定管理者で行いますが、カメラなどの機材、電光掲示板にどの映像を映すのかというスイッチングなどについては、利用団体で行っていただく必要がありますとの答弁がありました。
以上で、
福祉教育こども常任委員会の審査結果の報告を終わります。
○議長(市木 徹) 委員長の報告は終わりました。
委員長の報告に対し質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 質疑なしと認め、質疑を終結します。
次に、議案第19号から議案第24号までについて、産業建設
常任委員会委員長の報告を求めます。
産業建設
常任委員会委員長、和田議員。
○産業建設常任委員長(
和田喜藏議員) 本定例会におきまして、産業建設
常任委員会に付託を受けました議案6件について、3月19日に委員会を開き、慎重に審査をいたしましたので、その結果を御報告申し上げます。
議案審査の結果でありますが、議案第19号、東近江市手数料条例の一部を改正する条例の制定について、議案第20号、東近江市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について、議案第21号、東近江市市道の構造の技術的基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について、議案第22号、東近江市農業集落排水処理施設条例の一部を改正する条例の制定について、議案第23号、市道路線の認定につき議決を求めることについて、議案第24号、損害賠償の額を定めるにつき議決を求めることについて、以上6件は、いずれも全
委員賛成で、原案のとおり可決すべきものと決しました。
審査の主な内容として、まず議案第19号、東近江市手数料条例の一部を改正する条例の制定については、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部が改正されたことに伴い、東近江市手数料条例の一部を改正するものであり、特に質疑はありませんでした。
次に、議案第20号、東近江市営住宅条例の一部を改正する条例の制定については、市営新大森団地改築(第二期)工事の完成に伴い、市営新大森団地2号棟を条例に追加するものであり、特に質疑はありませんでした。
次に、議案第21号、東近江市市道の構造の技術的基準を定める条例の一部を改正する条例の制定については、道路構造令の一部改正に伴い、引用条項の整理を行うものであり、特に質疑はありませんでした。
次に、議案第22号、東近江市農業集落排水処理施設条例の一部を改正する条例の制定については、公共下水道への接続に伴い、湯里地区と小田苅地区の農業集落排水処理施設の用途を廃止するものであり、特に質疑はありませんでした。
次に、議案第23号、市道路線の認定につき議決を求めることについては、委員から、市道の認定についてルールはあるのか。また、大きな住宅団地の中の道路などでも市道認定をするのかとの質問があり、担当者から、不特定多数の車両が通行する地域間を結ぶ道路を市道認定しています。住宅団地の中の道路については、大きな幹線道路になりますと、市道にするかどうかの判断をさせていただくことになりますとの答弁がありました。
次に、議案第24号、損害賠償の額を定めるにつき議決を求めることについては、公用車による事故で発生した人身損害及び車両損害による損害賠償の額を定めるものであり、特に質疑はありませんでしたが、委員から、今後、くれぐれも公用車の運転には気をつけるよう意見がありました。
以上で、産業建設
常任委員会の審査結果の報告を終わります。
○議長(市木 徹) 委員長の報告は終わりました。
委員長の報告に対し質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 質疑なしと認め、質疑を終結します。
次に、議案第1号、議案第2号及び議案第8号から議案第24号まで並びに
意見書案第1号の20件について、一括討論、採決を行います。
討論はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 討論なしと認め、討論を終結いたします。
採決します。
議案第1号、議案第2号及び議案第8号から議案第24号まで並びに
意見書案第1号の20件に対する各
委員長報告は、承認及び可決であります。
本案を各
委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 御異議なしと認めます。
よって、議案第1号、議案第2号及び議案第8号から議案第24号まで並びに
意見書案第1号の20件については、各
委員長報告のとおり承認及び可決することに決しました。
次に、議案第3号について、討論を行います。
通告がありますので、これを許可します。
23番、田郷議員。
○23番(田郷 正議員) 私は、議案第3号、令和3年度東近江市
一般会計予算の反対討論を行います。
市長は、開会日の提案理由の中で、「本予算は、予算編成時に市長選挙が予定されていたために、『一部政策的な事業を除き』『当初予算は
骨格予算475億円』と位置づけて、『切れ目のない行政サービスを提供することで』『市民の安全・安心や市民生活の安定に資する経費を中心』に『施策を継続、伸展』させる予算として編成」したというふうに述べられております。
しかしながら、代表質問で指摘しましたように、この予算は大型公共事業優先、企業優遇で、市民生活を守る施策が後景に追いやられている予算編成であると言わざるを得ません。
もう一度、内容を繰り返しますが、(仮称)布引の森整備事業では、1億882万円を繰り越しながら、新たに1億7,521万円を加えて、合計2億8,400万円余り、また、企業立地促進事業では、31社、このうち大企業と呼ばれる6社を含めて3億9,096万円、また、雇用促進奨励金は、6社に対して2,930万円の合計4億2,026万円を企業誘致等に充てています。
また、市街地の街路事業では、7億2,721万円を繰り越しながら、2億5,726万円を予算化して、その合計9億8,447万円となり、大型公共事業や企業支援優先施策を推進していると言わざるを得ません。
そうした一方で、市民の暮らしや健康を守るための市単独の福祉医療助成では、「子ども」や「身体障害者」、また「身体障害老人」を合わせて2億9,999万円しかありません。
コロナ対策の福祉資金貸付等に苦労されている社会福祉協議会へは、「補助金」や「委託料」「
指定管理料」を合わせて2億2,588万円しかありません。
また、感染症予防対策費としての風疹や麻疹、4種混合などの各種
ワクチン接種には2億7,999万円、また胃がんや大腸がん、乳がん検診などの成人保険事業の委託料や補助は1億1,518万円しか予算化されていません。
これでは、市民の命を守る予算が少な過ぎると言わざるを得ません。
また、「
新型コロナウイルス感染症対策第七弾」と称して10億3,817万円が予算化されておりますが、
ワクチン接種事業を除いては、長引くコロナ禍から市民生活を支援し、真に暮らしを守るための施策予算になっていないと考えます。
例えば、「キャッシュレス決済ポイント還元事業」(1億円)について、
予算決算常任委員会への
産業建設分科会長の報告にもあるように、この事業は「個人への給付ではなく、疲弊した市内業者への経済回復を目的」としており、困窮している市民生活を守る施策とは言えないのではないでしょうか。
しかも、キャッシュレス決済を導入できない零細小売店舗は、導入費用や手数料の負担が増えるし、東近江市民だけでなく市外の消費者にも20%のポイント還元がされる矛盾が残っています。
また、「宿泊業・
飲食業支援事業」(1億円)でも、宿泊・飲食事業者だけへの支援であり、食材などの搬入される関連事業者へは支援されないことになっています。
また、「近江鉄道通学定期券購入支援補助金」(815万円)でも、不公平なもので、6か月定期を購入された方には1万円、3か月定期を購入された方には5,000円、1か月定期を購入された方には1,000円の補助、こういう恩恵しかありません。
6か月定期購入のためには、十数万円という費用が必要であります。新学期には必要経費がかさみ、一括購入できない家庭も多いのが現状であり、市民の暮らしを支える施策ではありません。
第七弾の11事業のうち7事業は、事業者への支援策となっております。もちろん、中小事業者への支援は必要であります。しかし、事業者を支えるのは消費者であり、消費者である市民生活が困窮している状況の下では、地域経済も回らないのであります。
コロナ感染症も変異株が拡散している下で、今後の経済情勢は、今より厳しくなることが予想されています。
今、必要なのは、市民生活を守るための直接的な施策と予算であることを述べて、反対討論といたします。
○議長(市木 徹) 14番、西﨑議員。
○14番(西﨑 彰議員) それでは、賛成討論をさせていただきます。
まず、討論とは、どういったものかということから述べさせていただきます。
討論とは、賛成か反対かの意見を述べることを言います。この討論を行うことによって、事件について、自分の考えを違う議員や評決態度が未定の議員、その議員に対して自分の考えを同調を得ることがどうかということが、討論の主体となります。
まず、これをもって、討論とは何かをお伝えさせていただきまして、賛成討論をさせていただきます。
ただいま田郷議員からは、475億円の
骨格予算ということをおっしゃいました。そして、大型公共事業、大企業優先ということを述べられました。
全く、ここは意にそぐわないかなと、そのように思いますし、市民の暮らしや命を守るということの額が少な過ぎると、そのようなことをおっしゃいましたが、そうとは思いません。
それと、コロナ禍のことで、第七弾で近江鉄道の補助金のことをおっしゃいましたが、これは、委員会の中で検討するということをおっしゃっていますので、それには全く当てはまらないかなと思います。
現在の日本経済の状況につきましては、中国武漢発
新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にありますが、ポストコロナの新しい社会の実現を目指し、中長期的な成長力強化の取組を推進されています。
本市の財政状況につきましては、今後の見通しとして、税収は、
新型コロナウイルス感染症の影響や今後の人口減少下において、減収は明らかな状況ではありますが、普通交付税についても合併特例期間が令和2年度で終了するなど、各種事業を推進する環境がより一層厳しさを増していくことが見込まれます。
さて、令和3年度
一般会計予算につきましては、その総額を475億円と編成されております。
今回の予算は、御承知のように、2月に市長選挙が執行されましたことから、いわゆる
骨格予算として編成され、市民の安心・安全や市民生活の安定性の観点から、切れ目のない行政サービスを提供するために必要な経費が計上されております。
その具体的な取組といたしまして、まず1点目は、「活力ある東近江市の創生」であります。
具体的な事業としては、新たな企業の進出や既存企業の規模拡大・雇用に対する支援のほか、中心市街地のにぎわい創出事業や商工業振興支援事業、中小企業者への利子補給事業などが挙げられます。
また、農業振興では、近畿随一の耕地面積を誇る本市の農業を「儲かる農業」へと転換させるため、地域内中規模流通の中核であります地域商社「東近江あぐりステーション」の支援や、農業の担い手不足対策としての新規就農者支援事業のほか、林業振興対策事業、鳥獣対策事業、土地改良事業などが予算化されております。
2点目は、「魅力ある東近江市の創生」であります。
本市の自然・歴史・文化、日本遺産を生かした観光戦略では、PR活動や観光ボランティアの人材育成のほか、近江鉄道太郎坊宮前駅舎周辺整備事業、豊かな自然と文化を生かしたエコツーリズム事業などが挙げられています。
また、文化振興としまして、八日市文化芸術会館舞台装置改修工事や木地師のふるさと発信事業、市内関係団体と連携して取り組む聖徳太子薨去1400年に向けたプレイベントの実施などが挙げられております。
3点目は、「夢のある東近江市の創生」であります。
妊娠・出産・子育てを総合的にサポートするため、病児保育室や地域子育て支援拠点「つどいの広場」の充実のほか、見守りおむつ宅配便、中学生までの子ども医療費助成などが挙げられております。
施設整備においては、認定こども園整備や学校施設整備などに必要な経費が予算化されております。
また、国が進める「
GIGAスクール構想」を推進し、
タブレット端末を活用した各種の学習に対応できるよう、環境整備やGIGAスクールサポーターの配置などの費用が予算化されています。
4点目は、「豊かな東近江市の創生」であります。
時代に合った都市基盤づくりとして、道路や橋梁等の整備、黒丸スマートインターチェンジ設置推進事業や自治会施工による生活道路及び生活水路整備等への支援など、必要経費が予算化されております。
また、
まちづくり協議会やコミュニティ活動への支援、地域医療確保対策事業なども挙げられております。
最後に、
新型コロナウイルス感染症対策第七弾として、
新型コロナウイルスワクチン接種に必要な費用のほか、市内でキャッシュレス決済を活用して買物をした際のポイント還元、売上げが落ち込む宿泊業や飲食業への支援、中小企業や近江牛肥育農家への支援、幼児施設、小・中学校の感染症対策など総額10億3,817万円が計上されております。これで少ないんでしょうか、疑問を感じます。
以上のように、議案第3号、令和3年度東近江市
一般会計予算は、本市が持つ地域資源を最大限活用し、まちの魅力を高めることによって、活力のある東近江市の創生に向けた予算となっております。
コロナ禍ではありますが、「施策の推進」と「財政の健全性の維持」の両立を図りながら、東近江市の行財政運営を実行していただけることと確信し、本案に賛成するものであります。
議員各位の御賛同をお願いし、賛成討論とさせていただきます。
○議長(市木 徹) ほかに討論はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 以上で、討論を終結します。
採決します。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
議案第3号、令和3年度東近江市
一般会計予算を
委員長報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(起立多数)
○議長(市木 徹) 着席願います。
起立多数であります。
よって、本案は委員長の報告のとおり可決することに決しました。
次に、議案第4号について、討論を行います。
通告がありますので、これを許可します。
20番、山中議員。
○20番(
山中一志議員) 議案第4号、令和3年度東近江市
国民健康保険(
事業勘定)
特別会計予算に反対の立場から討論をいたします。
まず、県からの確定係数による標準保険料の算定結果について、本市は、令和3年度(本算定)1人当たり保険料額が13万836円と、令和2年度比較マイナス7,453円となり、主な増減の要因として、前期高齢者交付金の増を挙げられており、その結果を受け、
国民健康保険事業運営協議会から、標準保険料を下げる方向での答申を頂きました。答申に基づき、保険料額を下げるよう、まず求めるものであります。
さて、平成30年度から財政運営の主体を都道府県が担う都道府県単位化が始まりました。
滋賀県では、保険料水準の統一に関して、①市町の納付金の算定に医療費水準を反映させない(平成30年度から実施)、②市町の収納率に応じて納付金の額を調整(令和3年度から実施予定)、収納率が県全体の収納率より高い市町では、従前より保険料が高くなり、収納率が低い市町では、従前より保険料が低くなるということ、③市町ごとの事業費等の支出及び国交付金等の収入を県全体の収入・支出として支え合う(市町と合意が得られたものから実施)と、3つのステップで進めるとのことですが、県が公表する内容は、都道府県単位化により、保険料の増減を含め、一定の期待を踏みにじる内容ばかりで、これから大丈夫なのか、また都道府県単位化にならない方がよかったのではないかという声が聞こえております。
医療費の高騰などによる財政運営への心配はなくなったかもしれませんが、県に納める納付金や分担金の増減が本市の当初予算の編成において多大なる影響があるのは必然で、この納付金の計算の基礎となる1人当たり診療費の伸び率の設定は、生命線と言っても過言ではありません。
そういった中、第2期滋賀県
国民健康保険運営方針が策定され、県全体として支え合う経費や公費の拡大、収納率の反映をすることにより、保険料水準の統一に向け大きく前進したとする本市の考え方は、いささか前のめりと言わざるを得ず、決定の経緯については、市町と県の相互理解の下で提案並びに決定がなされるようお願いしたいと考えております。
そもそも保険料が高い水準にあることも事実で、負担の限界を超える金額となっており、払いたくても払えない「高過ぎる国保料」、非情な「滞納制裁」、増え続ける「無保険者」など、貧困と格差が広がる中、
国民健康保険の危機的な状況が、さらに深刻化を招きかねません。
国保の財政悪化と国保料高騰を招いている現況は、度重なる制度の改悪と国の予算削減であり、こうした国庫負担の削減が、国民世帯の貧困化と一体に進んだことが、事態を一層悪化させています。
他の保険に比べ低所得者が多く加入し、保険料に事業主負担もない国保は、適切な国庫負担なしには成り立ちません。これは、かつて政府も認めていた国保財政の原則です。
国保は、日本が世界に誇る、相互扶助の精神に基づく国民皆保険制度です。国の財政支出の下、自治体が保健・福祉とも連携しながら、住民に医療を給付する社会保障の仕組み、それが本来の
国民健康保険です。
財源不足を補うため、保険料に際限なく転嫁を行うことは、
国民健康保険の根幹を自治体自ら放棄するもので、国保、その制度が、国民の生活苦に追い打ちをかけ、人命や人権を脅かすことになってはならないことを申し述べ、本予算には反対であることを表明し、討論といたします。
○議長(市木 徹) 2番、山本議員。
○2番(
山本直彦議員) 議案第4号、令和3年度東近江市
国民健康保険(
事業勘定)
特別会計予算について、賛成の立場で討論をいたします。
医療保険制度は、「国民皆保険」として、全ての国民がいずれかの公的医療保険に加入することとなっており、病気やけがをしたときに備えて、加入者みんなで保険料を出し合い、必要な医療費や加入者の健康づくりに役立てるための制度であります。
この「国民皆保険」は、世界に誇る制度で、コロナ禍においても、世界中から注目を浴びており、その根幹をなし、制度を支えているのが
国民健康保険であります。
本市における
国民健康保険事業は、被保険者の生活習慣病の予防を中心とした特定健康診査・特定保健指導の実施により、医療費の増加抑制に努めています。
また、ハイリスク者への個別訪問や人間ドックの推進、重複服薬とジェネリック差額通知などの医療費適正化の取組を積極的に行い、県からの交付金等の財源確保に努めています。
今後は、令和6年度のできるだけ早い時期に予定されている「保険料水準の県内統一」を見据えた、被保険者の急激な負担の増加とならないよう財政調整基金を有効活用し、運営していく予定となっております。
加えて、去る令和3年2月18日に開催されました東近江市
国民健康保険事業運営協議会において、財政運営についての協議がされ、市長から諮問された保険料の改定について、答申されております。
以上のようなことから、今議会に提出されました議案第4号、令和3年度東近江市
国民健康保険(
事業勘定)
特別会計予算について、賛成するものであります。議員各位の賛同をお願いし、討論を終わります。
以上です。
○議長(市木 徹) ほかに討論はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 以上で、討論を終結します。
採決します。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
議案第4号、令和3年度東近江市
国民健康保険(
事業勘定)
特別会計予算を
委員長報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(起立多数)
○議長(市木 徹) 着席願います。
起立多数であります。
よって、本案は
委員長報告のとおり可決することに決しました。
次に、議案第5号について、討論を行います。
通告がありますので、これを許可します。
23番、田郷議員。
○23番(田郷 正議員) 議案第5号、令和3年度東近江市
国民健康保険(施設勘定)
特別会計予算について、反対討論を行います。
蒲生医療センターがん診療棟は、現在建設中でありますが、昨年6月議会での「東近江市蒲生医療センターがん診療棟増築工事の施工に伴う協定の締結につき議決を求める」案件の反対討論でも述べましたように、
がんセンター建設に13億円もの建設費用が必要であります。2020年度に8億円の診療所事業債を発行し、2021年度の債務負担行為5億円を
国民健康保険(施設勘定)特別会計から支出して、昴会との協定締結をしようとしたものでありますが、この13億円は、最終的には
一般会計からの負担になってきますというふうに指摘をしました。
本予算案では、病院事業債6億8,980万円のうち5億円を「
がんセンターの診療施設等整備事業負担金」として、医療法人社団昴会へ負担をするものであります。
その結果、病院事業債は、2019年度が1億8,381万円であったものが、2020年度9億4,797万円に、2021年度末には16億321万円に膨れ上がります。そのうちの13億円を、
がんセンター建設費用としての負担になることになります。
施設勘定全体の債務残高見込みは、2021年度末で21億6,121万円になるというふうに予想をされています。
今後、永源寺診療所の建設費用もかさんできます。
蒲生医療センターは、利用料金制で昴会へ指定管理委託されているので、市債の返還は、
一般会計と
国民健康保険(
事業勘定)会計からの繰入金でしか賄うことができなくなります。
公債費の元金償還金は、予算案でも、2021年度1億1,025万円であり、今後、公債費が増えることは確実であります。
事業勘定からの繰入れが増えれば、
国民健康保険料の値上げにもつながりかねません。
また、現在は、レスパイト入院もできなくなって、地域住民は困っております。職員数も減って、職員も労働条件が大変厳しくなっているのが現状です。
建設を中止することはできませんが、このような予算案には反対であることを表明して、討論といたします。
○議長(市木 徹) 11番、森田議員。
○11番(
森田德治議員) 議案第5号、令和3年度東近江市
国民健康保険(施設勘定)
特別会計予算について、賛成の立場で討論をいたします。
令和2年4月から、直営であった蒲生医療センターに指定管理者制度を導入し、市の医療政策の大きな転機でありましたが、順調に移行を行い、来院者数も増加し、今日に至っております。
また、
新型コロナウイルス感染症対策については、万全の体制を構築し、対応をいただいており、これまでクラスターなどが発生することなく運営されております。さらに、経営の安定化と地域医療の向上に御尽力をいただいております。
また、今年度から建設が始まりました蒲生医療センターがん診療棟増築工事は、令和3年8月の診療開始に向け、工事も順調に進み、何より医療スタッフの確保が既になされており、今後に大きな期待をするところです。
これらの指定管理者制度への移行と
がんセンター建設は、コロナ禍の状況においても、驚くほどのスピードと今までにない手法により実行がされました。市長のリーダーシップとクオリティーの高いまちづくりの施策として、評価できるものであります。
令和3年度予算においては、
予算総額の約50%を蒲生医療センターがん診療棟工事が占め、将来への投資を含めた本市の医療政策の未来を担う重要な予算であると考えます。
小椋市政3期目の方針にもありますが、地域医療構想における柱である「地域でつくる総合病院」の中核を担う施設であり、今後の本市のみならず、東近江圏域における新たな医療体制構築の基盤であります。
また、このほかに、永源寺診療所の改築工事も盛り込まれております。既に、旧永源寺保健センターの解体も終わり、地域の新たな核となる診療所の建設が始まります。
永源寺地区は、医療の過疎地域と言われた時代もありましたけれども、新たな医療複合施設としてスタートされることに感謝し、期待を申し上げます。
以上のようなことから、今議会に提出されました議案第5号、令和3年度東近江市
国民健康保険(施設勘定)
特別会計予算について、賛成するものであります。
議員各位の賛同をお願い申し上げ、賛成討論といたします。
○議長(市木 徹) ほかに討論はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 以上で、討論を終結します。
採決します。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
議案第5号、令和3年度東近江市
国民健康保険(施設勘定)
特別会計予算を
委員長報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(起立多数)
○議長(市木 徹) 着席願います。
起立多数であります。
よって、本案は
委員長報告のとおり可決することに決しました。
次に、議案第6号について、討論を行います。
通告がありますので、これを許可します。
12番、廣田議員。
○12番(
廣田耕康議員) 議案第6号、令和3年度東近江市
後期高齢者医療特別会計予算について、反対討論を行います。
後期高齢者医療制度は、御承知のように、75歳以上の高齢者を、それまでどんな保険に入っていようと、
後期高齢者という名の下に、74歳以下の人と切り離し、都道府県などでつくる広域連合が運営する別枠の医療保険に強制的に加入させ、負担増と差別医療を押しつけるものです。
日本共産党は、制度発足以来、差別医療を持ち込むなと反対し、一貫して制度の廃止を求めてきました。
高齢者の医療確保に関する法律の第2条では、「自助と連帯の精神に基づき、自ら加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、高齢者の医療に要する費用を公平に負担する」と定めています。
このため、保険料額は2年ごとに改定され、医療給付費の増加や、
後期高齢者の人口増に合わせて自動的に引き上がる仕組みとなっています。そして、保険料は、介護保険料と合わせて「年金天引き」で徴収されています。
このような中で、今国会に、「現役世代の負担軽減のため」を理由に、75歳以上で年収200万円以上(対象者数約370万人)の高齢者が医療機関で支払う窓口負担の割合を1割から2割に引き上げる案が提案されています。
これは、公的年金が抑制される中で、収入が増えない高齢者にとって大きな打撃になっています。
コロナ感染症での受診控えが起こっている中、受診控えにさらに追い打ちをかけるようなむごい内容になっています。
「現役世代の負担軽減のため」と言うなら、現在35%となっている国の医療費負担分を、
後期高齢者医療制度が導入された当時の45%に戻すべきです。
人は誰でも年を取ります。若い頃は元気でも、高齢になれば、いろいろな病気が出てきます。そういう高齢者を別建ての医療保険とすることには、何の道理もありません。
ヨーロッパ諸国など「国民皆保険」が確立している国の中で、年齢で被保険者を切り離し、保険料や医療内容に格差をつけている国はありません。
75歳以上の高齢者を一つの制度に集めて運営する制度そのものに問題、無理があることを指摘し、反対討論とします。
○議長(市木 徹) 5番、鈴木議員。
○5番(
鈴木則彦議員) 議案第6号、令和3年度東近江市
後期高齢者医療特別会計予算について、賛成の立場で討論をいたします。
後期高齢者医療制度は、将来にわたり国民皆保険を守り、家族や社会のために長年尽くされた高齢者の方々が安心して医療を受けられるように、若い世代も含めてみんなが支え合う制度として、平成20年4月に導入されました。
この特別会計は、法律により財政運営を県内の全ての市町で構成される「滋賀県
後期高齢者医療広域連合」で行われ、保険料徴収と給付は市町村事務と規定されており、徴収した保険料を、広域連合に納付するものであります。
歳出総額の98%は、広域連合への納付金と過誤納付還付金で占められており、残りは保険証の送付や徴収に関する事務費であります。
我が国の医療費は、今後、高齢化に伴う加入者の増加と医療技術の高度化などにより、ますます増大すると考えます。
この制度について、今さら反対される理由が全く理解できません。
今後も、引き続き
後期高齢者の医療を保障し、市民福祉を増進するため、なお一層の努力を求めるとともに、
後期高齢者医療制度のさらなる発展を願い、本議案に対し、
委員長報告に賛成の立場を表明し、討論といたします。議員各位の御賛同をよろしくお願いします。
以上です。
○議長(市木 徹) ほかに討論はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 以上で、討論を終結します。
採決します。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
議案第6号、令和3年度東近江市
後期高齢者医療特別会計予算を
委員長報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(起立多数)
○議長(市木 徹) 着席願います。
起立多数であります。
よって、本案は委員長の報告のとおり可決することに決しました。
次に、議案第7号について、討論を行います。
通告がありますので、これを許可します。
20番、山中議員。
○20番(
山中一志議員) 議案第7号、令和3年度東近江市
介護保険特別会計予算に、反対の立場から討論をいたします。
保険料率の見直しにおいて、所得段階の多段階化で、10段階から12段階へ、併せて第4、第6段階の保険料の変更、また、基金を取り崩して、保険料標準額を5,200円に据え置かれたことへは、一定評価をするものです。
しかし、基金の残高は、令和元年度末で10億643万円であり、第1号被保険者1人当たり3万3,543円とのことです。令和2年度末では、さらに1億円程度の上積みが見込まれると聞いております。
これら基金を第8期の3年間で取り崩し、
保険料上昇抑制に充てるとの考え方は、一定理解はしますが、年間保険料18億8,524万円に対し基金残高10億643万円と、53%にもなります。
あわせて、要介護1から5に係る介護サービス等諸費、要支援1・2に係る介護予防サービス等諸費を含め、保険給付費が78億2,600万円と、前年度比7,600万円減額されていることも問題です。
今回の基金取り崩しは331万円であり、さらなる基金の取り崩しを行い、保険料の値下げ、また、利用料への補助等行う予算とすべきではなかったでしょうか。
繰越金に関し、平成30年度が4億4,400万円、令和元年度が2億3,500万円、3年を一つの単位と考えても、多くはないでしょうか。
現在の介護保険を支えている保険料設定は、特別な対策を取る必要があったのではないでしょうか。
そもそも、介護保険制度ができる前までは、措置制度で、国50%、県と市が25%の全額公費負担で維持してきた高齢者福祉を保険制度に移行する段階で、負担割合は、国25%、県12.5%、市12.5%で、国と自治体の負担を半減させたところからスタートしました。
今では、国20%、調整交付金5%、県と市が12.5%ずつで、第1号被保険者は23%、第2号被保険者は27%の負担割合となっております。
高齢化の進行による保険給付費の増加は当然予想できたもので、それに見合った国の財政負担を行わずに社会保障費を抑制してきたことによる制度の破綻を、市民と地方自治体の財政負担に転嫁しようとする国に責任があると言わざるを得ません。
利用者、家族の介護や生活、介護現場の厳しい実態をどうしていくかということよりも、国の財政事情を優先し、保険給付の削減や保険料の負担増、公的責任の縮小を先行させ、推進する方向、国の財布は閉じたまま、後は利用者・高齢者の「自腹」、まさに「理念より金策」です。
国庫負担割合を直ちに10%引き上げ、将来的には、国庫負担50%に引き上げるなど、国の責任で負担軽減に取り組むべきです。
自治体の中には、一般財源から介護保険財政への繰入れを行うなどして、保険料などの負担増を独自に抑制し頑張っているところもありますが、対策には限界があります。
自治体関係団体は、国に積極的な財政支援と制度の見直しを繰り返し求めています。
保険者としての東近江市の裁量でできることは最大限実行をし、「終の住み処は、この東近江市で」と言われる介護保険制度や予算にすべきであります。
以上の立場から、本予算には反対であることを表明し、討論といたします。
○議長(市木 徹) 3番、青山議員。
○3番(
青山孝司議員) 私は、議案第7号、令和3年度東近江市
介護保険特別会計予算について、賛成の立場で討論いたします。
予算編成につきましては、策定中の第8期東近江市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を基本に、令和2年度の執行見込みを勘案しながら計上されており、サービス利用者の数とサービス事業所の整備、介護給付費の動向を見込まれているものと考えます。
前年度と比較しますと、
予算総額が減額していることについては、第7期計画と第8期計画を比較すると、要介護認定率がほぼ横ばいで、本市の多くの高齢者が健康に留意し、元気で自立した生活を送っていただいているためと考えます。
3月1日現在の本市の65歳以上の高齢者数は3万268人、高齢化率26.7%と、4人に1人以上が高齢者です。今や人生100年時代、できれば人生の最期まで健康でいたいというのは、市民の誰もが願っていることです。
本市では、自立支援や重度化防止、介護予防の取組として、リハビリ専門職やスポーツ推進員、健康推進員などが地域に出向き、運動体験や体力診断を行うなど、「通いの場」の拡充や、フレイル予防の普及・促進をし、健康な状態を長続きさせる健康寿命の延伸に向けた、より効果的な取組を計画されておられます。また、支え合いの地域づくりの支援にも取り組んでいただいております。
健康寿命延伸に向けた事業が活発に行われ、元気な市民が増えることは、社会保障費の削減にもつながるものと考えます。
人口減少、少子高齢化といった厳しい局面が続く時代だからこそ、引き続き介護保険制度の円滑な運営に努め、また、介護予防をより一層推進することで、市民の誰もが「東近江市に住んでよかった」と言えるまちとなるようさらなる努力をされますことを期待し、私の賛成討論といたします。
○議長(市木 徹) ほかに討論はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 以上で、討論を終結します。
採決します。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
議案第7号、令和3年度東近江市
介護保険特別会計予算を
委員長報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(起立多数)
○議長(市木 徹) 着席願います。
起立多数であります。
よって、本案は
委員長報告のとおり可決することに決しました。
次に、
意見書案第2号について、討論を行います。
通告がありますので、これを許可します。
6番、辻議員。
○6番(辻 英幸議員) 私は、平成27年当時の安倍首相、そして現行政府及び戦後数十年間、韓国との外国交渉を担われた外務官僚の方々に敬意を表しつつ、この意見書(案)に対して反対討論をいたします。
昭和40年の
日韓請求権協定、平成27年の日韓合意の締結の過程においては、外務高官の方々には、涙ぐましい努力をされたのではないかと、私、想像いたします。
そこには、過去に日韓の間に何があったのかという一つ一つの事案の事実の検証にこだわり続けるのではなく、現実の日韓関係、そしてこれからの日韓関係はどうあるべきかという共通認識を持ち、本日もミサイルを打ち上げ挑発し続ける北朝鮮や非民主主義的統制を進める中国への考慮をした、あるべき日韓関係をつくり上げねばならないという信念のようなものがあるのではないかと想像いたします。
本意見書の前半部分は、これまでの両国で交わされた合意を守れという至極当然の意見であり、賛成いたします。
しかし、後半部分は、従軍慰安婦というものがあったのかなかったのかという問題に踏み込んでいます。
このような事実の検証に関する議論は、歴史学者がするべきことであり、当市議会で討議すべき内容とは思いません。
本意見書は、戦後、外交交渉を担われてきた外交高官の方々の努力を忘れ、日韓関係の悪化をあおるような内容が含まれています。
よって、賛成できるような内容ではありません。
各議員におかれましては、広範な知見を持ち、冷静な御判断をされるようお願いいたします。
○議長(市木 徹) 17番、西村純次議員。
○17番(西村純次議員)
意見書案第2号、元慰安婦等による
日本政府に対する
損害賠償請求訴訟に関する
韓国ソウル中央地方裁判所の判決に対し断固たる措置を求める意見書について、17番、西村純次が賛成の立場で討論を行います。
この判決の後、
日本政府は、「国際法上も、二国間関係上も、到底考えられない異常な事態が発生したことと極めて遺憾に捉えている。我が国としては、国際法上の主権免除の原則から、
日本国政府が韓国の裁判権に服することは認められず、本件訴訟は却下されなければならないとの立場を累次にわたり表明、伝達してきたところである。それにもかかわらず、国際法上の主権免除の原則を否定し、原告の訴えを認める判決が出されたことは極めて遺憾であり、日本政府としては断じて受け入れることはできない。さらに、慰安婦問題を含め、日韓間の財産・請求権の問題は、1965年の日韓請求権・経済協力協定で完全かつ最終的に解決済みである。また、慰安婦問題については、2015年の日韓合意において、最終的かつ不可逆的な解決が日韓両政府の間で確認されている」と表明いたしました。
政府・与党に限らず、野党の多くも「日韓関係の悪化につながる」と、判決への批判をしております。
また、慰安婦問題は、1990年代以降、日韓間で大きな外交問題となりましたが、日本はこれに真摯に取り組んできました。
1965年の日韓請求権・経済協力協定で解決済みである上に、慰安婦の方々の現実的な救済を図る観点から、1995年、アジア女性基金を設立しました。日本政府が約48億円を拠出し、日本人一般市民から約6億円の募金が寄せられました。
基金では、フィリピン、韓国、台湾の元慰安婦の方々285人に、1人当たり320万円から500万円を支給しました。インドネシアにおいては、高齢者用の福祉施設を整備する事業を支援し、オランダにおいては、元慰安婦の方々の生活状況の改善を支援する事業を支援しました。
個々の慰安婦の方々に対して、「償い金」及び医療・福祉支援が提供された際、その当時の内閣総理大臣は、自筆の署名を付した、おわびと反省を表明した手紙をそれぞれ元慰安婦の方々に直接送るなど最大限の努力をしてきました。
2015年の内閣総理大臣談話では、「日本としては、20世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を胸に刻み続け、21世紀こそ女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、リードしていく決意であります。」と述べられました。
このような
日本政府の真摯な取組にもかかわらず、強制連行、性奴隷といった表現や慰安婦の人数など、史実に基づくとは言いがたい主張も見られると、これら
日本政府の主張に、私は同感するものでありますし、大きな声は上げないが、多くの方も賛同していただけるものと思います。
私も、この意見書に関わるまで、これら問題に精通していたわけではありません。今回、これらに真摯に立ち向かい、いろいろと勉強させていただきました。
調べるにつけ、今まで知らなかった多くのことを学びました。皆さんも、ちょっと調べれば、いろいろなことを知ることになるでしょう。
先日の
総務常任委員会において、山中議員から「請求権問題は解決済みと言うが、政府は個人の請求権までは消滅しないと国会答弁などで公式に表明しているが、どうか」という質問に対して、そのとき、私は自分なりにお答えしたつもりでしたが、明確にお答えできていなかったかなと反省をして調べてきましたので、ここで明解にお答えをしておきたいと思います。
平成3年8月27日、参議院予算委員会での当時社会党の清水澄子議員、同年12月13日、参議院予算委員会での共産党の上田耕一郎議員の質問に対し、当時の柳井外務省条約局長が「日韓請求権・経済協力協定第二条一項において、日韓両国及び両国国民間の財産・請求権の問題が完全かつ最終的に解決したことを確認しておりまして、またその第三項におきましては、いわゆる請求権放棄についても規定しているわけでございます。これらの規定は、両国国民間の財産・請求権問題につきましては、日韓両国が国家として有している外交保護権を相互に放棄したことを確認するものでございまして、いわゆる個人の財産・請求権そのものを国内法的な意味で消滅させるものではないということは今までも御答弁申し上げたとおりでございます。」と、この部分を指しておられるものと思います。
これに関して、平成30年11月に、当時、立憲民主党の初鹿明博衆議院議員が平成3年当時の答弁を変えるのか、否かとの質問に対して、当時の安倍首相の答弁書であります。「
日韓請求権協定による我が国及び韓国並びにその国民の間の財産、権利及び利益並びに請求権の問題の解決について、国際法上の概念である外交的保護権の観点から説明したものであり、また、韓国との間の個人の請求権の問題については、先に述べた
日韓請求権協定の規定がそれぞれの締約国内で適用されることにより、一方の締約国の国民の請求権に基づく請求に応ずべき他方の締約国及びその国民の法律上の義務が消滅し、その結果救済が拒否されることから、法的に解決済みとなっている。このような政府の見解は、一貫したものである。」と答弁をしております。
政府が従前から一貫して、1965年の日韓請求権・経済協力協定において、完全かつ最終的に解決したと主張していることと一致しております。そのことを申し添えておきます。
また、この意見書を提出してから、いろいろな団体や個人の方から様々な御意見を頂きました。
ここではっきり申し上げたいことは、私たちは、慰安所についても、慰安婦の方たちについても、存在を否定してするものではなく、確かにあった、おられたとの認識の下、慰安婦問題、女性を含むあらゆる人権に真摯に取り組んでおりますことを断言をしておきます。
従軍慰安婦という言葉でございますけれども、これは戦時中は、慰安婦、特殊慰安婦という言葉でありましたが、従軍慰安婦という言葉は、当時はございませんでした。1970年代になって、戦後25年以上たってから、書籍などによって使われ、それが浸透していったものであります。
この件については、3月22日の参議院文教科学委員会で有村治子議員が、教科書問題に関連して質問をされておりますので、YouTubeでまた見ていただければ結構かなというふうに思います。
そして、政治問題ということに関してですけれども、これは、朝日新聞の誤報に関する朝日新聞自らの記事を引用してお話しします。
1992年1月11日付の朝刊1面で、「慰安所 軍関与示す資料」との見出しで報じた記事をめぐって、他のメディアなどから疑問が出されていました。
記事は、防衛庁防衛研究所図書館所蔵の公文書に、旧日本軍が現地部隊に慰安所の設置を命じたことを示す文書などが見つかったという内容です。
政府は、当時、国会答弁で国の関与を認めていませんでした。
この記事の掲載は、宮沢喜一首相が同月16日から訪韓する前で、前文でも「政府として新たな対応を迫られるとともに、宮沢首相の16日からの訪韓でも深刻な課題を背負わされたことになる」と書いていました。
記事への疑問は、資料を早く入手していたのに、首相訪韓直前のタイミングを狙って記事にしたのではないかという点に、第三者委員会の報告書は、「(首相訪韓直前のタイミングを狙った)実態があったか否かは、もはや確認できない」とした上で、前文の表現などから「訪韓の時期を意識し、慰安婦問題が政治課題となるよう企図して記事としたことは明らか」と指摘しました。
このように、朝日新聞が書いております。このような新聞社によって、政治問題化されたように考えます。
ここから河野談話につながっていったものと思います。
1990年代に慰安婦問題が日韓両国の間で問題となり始めました。吉田清二氏の証言に基づき、朝日新聞が慰安婦問題を大々的に報じたことが、大きな要素の一つであったかなというふうに思います。
しかしながら、吉田氏の証言は虚位であったとして、朝日新聞が記事を訂正しました。
時の宮沢内閣は、慰安婦と言われていた人たちから聞き取り調査を行いました。その調査も、「事実究明より真摯な姿勢を示し、気持ちを深く理解する」ために実施を決めたとされています。
一般論で言いますと、被害者の供述に基づき、その証拠固めをして、確かな事実と認定するわけでありますが、
日本政府は、人道的な立場に立ち、裏づけ調査などを行うことなく、事実として、そういった女性がおられることに鑑み、その方たちの救済を第一に考え、あの河野談話が発せられたものと認識しています。
日本は、十分な検証をしないまま、現実におられる女性たちを思い、河野談話という形で、彼女たちにおわびと反省を表明しました。
談話については、日韓でやり取りをしながらつくられました。韓国国民の世論も反映されたものと言われています。また、償い金とともに内閣総理大臣の手紙も添えました。
1993年8月4日の河野談話発表前夜には、「大統領は評価しており、韓国政府としては結構である」との趣旨が日本に伝えられています。
歴代首相は、河野談話を踏襲していることは御承知のとおりであり、私たちの思いも同じであることを申し述べておきます。
今や、日本人は世界のあらゆるところで活躍をしております。皆さんの子や孫も世界に羽ばたかれるかもしれません。そのときに、性奴隷の日本人などと言われたくはありません。早くこの問題が解決することを願うものです。
そのためには、韓国政府の真摯な対応でもって、日韓両国の健全な関係と繁栄、そしてあらゆる人権が傷つけられることのない社会を目指すものであり、地方の一議会といえども、韓国政府に再考を促すよう、この意見書を提出するものであります。
議員各位の賛同をお願い申し上げ、賛成討論といたします。
○議長(市木 徹) 9番、井上議員。
○9番(井上 均議員)
意見書案第2号、元慰安婦等による
日本政府に対する
損害賠償請求訴訟に関する
韓国ソウル中央地方裁判所の判決に対し断固たる措置を求める意見書について、9番、井上均が、長く人権尊重の活動に関わってきた立場から、反対の討論を行います。
1993年8月、河野洋平内閣官房長官が談話を発表しました。この問題が、当時の軍の関与の下、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であることを認め、被害を受けた全ての人々に対し、心からのおわびと反省の気持ちを表明しました。
そして、
日本政府の責任の取り方を検討するとともに、歴史研究と歴史教育を通じて、この問題を後世に伝え、歴史の教訓とすることを言明しました。これが、
日本政府の基本的な立場です。
そして、1992年から現在まで、国連人権委員会、現在は国連人権理事会ですが、多くの勧告を受け続けています。
昨日調べました。1992年、1994年、1996年、1998年、2001年、2003年、2007年、2008年、2009年、2015年、2017年、勧告や見直しを受け続けています。
我が国は、この改組された国連人権理事会の理事国に自ら立候補し、世界の人権保障の模範となることや、人権に関する国際条約などの率先遵守を国際的に公約した。そして、女性への差別や暴力を根絶しようとする国際社会において、名誉ある地位を占めたいと希求しています。
しかるに、この意見書には、そもそも「作り上げられた」とか「一切確認されていない」とか「事実に基づかない」とかの表現があります。何よりも、「単に国益」と言い換えた、お金だけかというような表現もあります。とても、看過できない表現です。
国益ではなく、人権問題であります。国際法上の課題は理解していますが、極めて重大な人権侵害の意見書となっています。
提出者である東近江市民クラブの
山本直彦議員、賛同者である西村純次議員、
西村和恭議員は、この意見書で、「政府に断固たる措置を求める」と書いていますが、現在の菅政府は、確かに外交には弱いかもしれませんが、一部には強硬です。ただ、これ以上の強硬策は、国際社会から見放されるおそれがあります。
ロシアとは八方塞がりの外交です。その反動か、最近では、中国には新疆ウルグル自治区住民へのジェノサイドに対して欧米オセアニア諸国が制裁に出る中、菅政府は、「深刻に懸念している」「中国政府に透明性のある説明を行うよう働きかけている」程度です。
ミャンマー軍事クーデターには懸念を表明したが、新規ODAを止めただけ、尖閣、香港問題などは、遺憾表明だけ、日米地位協定の従属的な扱いもあります。
一般質問でもありましたが、提出議員、賛同議員は、現政府外交に相当不満を持っておられるのかと感じてしまいます。
しかし、なぜ韓国政府にだけ、このような意見書を出すのか、大変理解に苦しみます。
中国、アメリカ、ロシア、ミャンマー(旧ビルマ)政府に対する意見書を用意されているのか、今後、このような議論をしないといけないのか、大変懸念するところでございます。
東近江市議会は、困難な地域課題がてんこ盛りです。当市の地域課題を議論しようではありませんか。外交をやっている暇はありません。
議員各位の良識ある判断をお願いして、以上を反対の討論とします。
○議長(市木 徹) 12番、廣田議員。
○12番(
廣田耕康議員)
意見書案第2号、元慰安婦等による
日本政府に対する
損害賠償請求訴訟に関する
韓国ソウル中央地方裁判所の判決に対し断固たる措置を求める意見書に、反対討論を行います。
この意見書は、2つの点で大きな誤りを犯しており、反対します。
第1は、今年の1月、韓国の裁判所が元慰安婦の12人の方が日本政府に対して行った人権侵害損害賠償請求を韓国裁判所が認め、日本政府に各1億円ウォンの支払いを命じた判決に、断固たる措置を求めている点です。
第2は、慰安婦問題がなかったかのような歴史の歪曲をしている点です。
このような意見書は、全国では滋賀県議会にだけ出され、また、県下では、東近江市議会だけ出されていると聞いています。さらに、東近江市議会への意見書には、県の意見書にはなかった「慰安婦」の問題での歴史の歪曲が主張されており、「こんなひどい内容の意見書は絶対に採択すべきではない。採択しないでください」との声が全国から東近江市議会に寄せられ、今日も多くの方が傍聴されていて、全国の注目を浴びています。
日本国憲法は、前文で「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」と述べ、また「われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。」と述べています。
私は、この意見書に対し、東近江市議会が「国際社会において名誉ある地位を得る」ためにどう判断するのかが問われていると思います。その議員の一人として、責任の重さを痛感し、少し長くなりますが、反対する理由を述べます。
まず第1は、意見書が慰安婦の請求権を「主権国家は他国の裁判権に服さないという主権免除の原則までも否定した国際法上常軌を逸したもの」と述べている点です。
主権免除が国際慣習法として確立したのは、19世紀初めと言われています。主権免除とは何か。国家は、それぞれ主権という最高の権威を持っており、他国によって裁かれなという国際法のルールのことです。
しかし、このルールは、国際法が依拠している国際社会がどんどん変化・発展していく中で、主権免除の考え方も変わってきました。
第2次世界大戦後、市場経済が世界中に広がったことを背景に、国家の商業活動は主権免除の例外とするという考えが定着してきました。
また、1989年の東西冷戦後は、国際社会の支配的価値が、国家から人権に転換してきました。その影響を受けて、1990年代から、主権免除の原則が国家の重要な人権侵害に及ぶのかどうかが大きなテーマになり、各国の裁判所の判断が揺らぎ始め、ヨーロッパでは「人権侵害は主権免除の例外」との複数の判決も出てきています。
今回の韓国の判決は、人権尊重の大きな国際的潮流に沿った判断であり、「国際法上常軌を逸したもの」という判断は、全く当たらないと思います。
この国際的流れに逆行する意見書の採択は、市議会にとってふさわしくないと思います。
第2は、意見書は、元慰安婦の請求権を認めることは「昭和40年の日韓請求協定と平成27年の2国間合意に矛盾する」と述べている点です。
この2つによって、日韓両国間での請求権問題が解決済みだとしても、被害に遭った個人の請求権まで消滅させることはできません。
このことは、日本政府が国会答弁などで公式に繰り返し表明し、日本の最高裁判所も、被害者個人の請求権の存在を認めています。
1991年8月27日の参議院予算委員会で、当時の柳井俊二外務省条約局長は、日韓請求協定の第2条で両国間の請求権問題が完全かつ最終的に解決されたと述べている意味について、「これは日韓両国が国家として持っている外交保護権を相互に放棄した」ということであり、「個人の請求権そのものを消滅させたものではない」と言明しています。
先ほど、賛成討論で、西村議員が、安倍政権時代のことを言われて、否定されていますけれども、そもそも安倍政権は、集団的自衛権の行使で言われるように、従来、政府や自民党が認めてきた集団的自衛権反対を認めた政権でもありますし、またその政権を引き継いだ菅政権は、従来、吉田茂首相や中曽根首相が認めてきた日本学術会議が任命において、推薦された人は認める、そういう態度を覆した政権でもあります。このことをもって考えていくことが大切であるかと思います。
また、裁判所においては、2007年4月27日、日本の最高裁判所は、中国の強制連行被害者が西松建設を相手に起こした裁判で、「日中共同声明によって個人の請求権を消滅させるものではない」との判断を示し、西松建設は謝罪し、和解金を支払っています。
戦争被害は、被害者がいかに救済されるかが基本であって、「救済されていない」という訴えがあるときに、「問題は解決済み」とはねつけることはあってはなりません。いかに答えるかを問う立場で、日本政府は韓国政府と協議すべきだと思います。それでこそ、国際社会において名誉ある地位を得られるのではないでしょうか。
第3は、意見書が慰安婦問題がなかったかのような歴史の歪曲を行っている点です。
「慰安婦」問題が、重大な政治・外交問題になったのは、1990年からです。1991年8月には、韓国の元慰安婦の一人であるキム・ハクスンさんが「
日本政府は慰安婦の存在を認めない」と、初めて実名で証言されました。
こうした事態を受けて、
日本政府は、1991年12月から「慰安婦」問題について本格的な調査に乗り出し、1年9か月をかけて、1993年8月、「河野談話」が政府の見解として発表されます。
先ほど、賛成討論で、朝日新聞云々の発言がありましたけれども、政府は現地に赴いて、慰安婦の実態について、1年9か月もかけての政府としての正式見解が「河野談話」です。
私は、ここにやっぱり原点があって、認めるべきだと思います。
「河野談話」では、まず5つの事実を認めています。
1つは、長期にかつ広範な地域に慰安所が設置され、多くの慰安婦が存在したこと、2つは、慰安所は軍の要請により設営され、慰安所の設置、管理、及び慰安婦の移送は、旧日本軍が関与したこと、3つは、慰安婦の募集は軍の要請を受けた業者が主として当たったが、甘言、強圧、弾圧など、本人の意思に反して集められた事例が数多くあったこと、4つは、慰安所における生活は強制的な状況の下で痛ましいものであったこと、5つは、募集、移送、管理等も含めて、慰安婦本人たちの意思に反して行われたことの点です。
そして、「河野談話」は、「いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。」と謝罪しています。
そして、「河野談話」が認めたこれらの事実は、日本の裁判所でも事実認定がされています。
1991年から2001年まで各国の元「慰安婦」が
日本国政府を被告として謝罪と賠償を求めた裁判は、10件に上ります。
これら裁判の結論は、いずれも原告の損害賠償請求を認めるものとはなりませんでしたが、10件のうち8件で、元「慰安婦」たちの被害の実態を詳しく事実認定し、河野談話が認めた慰安所への旧日本軍の関与、「慰安婦」とされる過程における強制性、「慰安所」における強制使役などを全面的に裏づける内容となっています。
加害者でもある日本の裁判所が厳格な証拠調べを行った結果、認定している、この事実は、非常に重いものがあるのではないでしょうか。
さらに、政府においても、「河野談話」以降、細川内閣から野田内閣に至るまで11代の内閣は、全てが「河野談話」を踏襲することを表明してきました。
ところが、第1次安倍内閣は、「河野談話」を「私の内閣で変更するものではない」としつつ、2006年10月「軍や官憲による、いわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」との政府答弁書を出します。
この答弁書が右翼的潮流の「錦の御旗」となり、「強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」が、「強制連行を示す証拠はなかった」と読み替えられ、さらには「強制連行はなかった」と読み替えられ、「慰安婦制」の強制性全般を否定する最大のよりどころとして利用されています。
「強制連行はなかった」とする安倍政権の動きが強まった2007年以降、慰安婦問題の強制性を否定する勢力の策動は世界中から厳しい批判を浴びます。
2007年7月の米国の下院決議や2007年12月の欧州議会の決議では、「
日本政府は慰安婦の隷属化と奴隷化はなかったとするいかなる主張に対しても、明確に、かつ公的に反駁すべきである」などとの決議がされ、米国下院、欧州議会、オランダ、カナダ、韓国、台湾、フィリピンなど、多くの国や議会から抗議や勧告決議を受け、また、国連人権理事会など国連の幾つかの委員会からも是正勧告が繰り返し行われてきています。
慰安婦問題の強制性を否定する主張は、日本のごく一部の潮流の中では通用しても、世界では通用せず、最も厳しい批判の対象となるもので、「国際社会において名誉ある地位を得られるもの」ではありません。
最後に、本意見書が本会議に提案された3月15日の昼、市役所の前で行われた集会で、ある女性が「心がえぐられるような思いです。10代の女性たちが自ら志願して慰安婦になろうと思ったわけがありません」と、涙をこらえ、声を詰まらせ、怒りに震えて訴えられました。
今や、人権問題は、ミャンマーのデモへの弾圧、中国政府の香港やウイグル自治区への弾圧などに見られるように、大きな国際問題になっています。
さらに、コロナ禍の中、アメリカで起こった警察官の黒人男性への暴行殺害事件が、人種差別反対の大きな運動や世論の広がりにとどまらず、過去の奴隷制や奴隷貿易の見直しまで発展しているように、人権侵害からの救済は国際的な大きな流れです。
今、ジェンダー平等が言われ、フラワーデモが広がる中、軍の統制下の慰安所で「強制的に1日に数十回、軍人たちの相手をさせる」性的奴隷が強要されたことは、絶対に許されるべきことでありません。最悪の人権侵害だと思います。奴隷制の見直しと同じように、必ず歴史の審判を受けでしょう。
8月15日は、日本では終戦記念日ですが、韓国では光復節です。日本の植民地支配から解放され、韓国国民が光を取り戻した日として祝日となり、独立記念日となっています。私たちは、この大きな違いに真摯に向き合い、乗り越え、韓国国民と、またアジア国民と友好を築いていかなければなりません。
これからの時代、世界との交流、アジアとの交流は、ますます強まっていくと思います。そんなとき、私たちの子どもや孫は、国際社会において名誉ある地位を得るためには、今、私たちは、過去の歴史にきちっと向き合い、歴史の歪曲を許さないことが大事ではないでしょうか。
議員各位が本意見書に反対されることを訴え、反対討論とします。
○議長(市木 徹) 25番、西澤善三議員。
○25番(西澤善三議員)
意見書案第2号、元慰安婦等による
日本政府に対する
損害賠償請求訴訟に関する
韓国ソウル中央地方裁判所の判決に対し断固たる措置を求める意見書の採択に関して、私、西澤善三は、反対の立場での討論を行います。
日本と韓国との関係は、遠く大和の時代から多くの交流がなされ、高句麗や百済の国から多くの渡来人が滋賀の地に来られたことは、紛れもない事実であります。
特に、百済滅亡時には、日本からも出兵がなされ、敗れて多くの百済人が日本に亡命された記録も残っているようで、百済寺や石塔寺辺り、東近江市周辺では、多くの人を迎え入れたことが推察できます。
豊臣秀吉の朝鮮出兵で断絶していた国交も、江戸時代には朝鮮通信使を受け入れ、九州から東京まで通信使が通った朝鮮人街道が、この東近江市にも残っています。
また、明治42年、日ロ交渉に出向いた当時の伊藤博文内閣総理大臣がハルビン駅前で暗殺され、その翌年の明治43年(1910年)には、日本は韓国併合を行い、終戦までの36年間、植民地として韓国支配を日本は続けてまいりました。
戦後70年を迎えた当時の安倍総理大臣は、「戦後レジームからの脱却」を訴えられました。
これは、戦後70年もたったから、戦後押しつけられた民主主義や国家観を見直し、侵略戦争や慰安婦問題に区切りをつけ、国内外で集団自衛権を認め、戦争ができるような国に変えていこうとするものでありました。
しかし、36年間、侵略をされ続けていた韓国では、侵略戦争を国民に教育し、反日感情を持った国民が多数を占める中で、戦争責任は果たした、もう謝ることはないなどの日本の新たな国家観への変更は、韓国との間に深い溝をつくることになっていると思います。
今回の意見書では、日本の植民地支配下での日本政府への人道上の個人訴訟であり、日本政府へ断固たる措置を求めることへは、違和感を持ちます。
韓国や中国をはじめアジア諸国から戦争責任で非難され続けている重大な原因の一つには、国際法の解釈や金銭補償にかかわらず、被害者に人として向き合う
日本政府の姿勢が欠落しているからではないのでしょうか。
戦後レジームの脱却は、解決の糸口を閉じてしまうことになり、子や孫にこの問題の解決を先送りしないためにも、
日本政府に真摯な対応を私は求めます。
そして、国と国との外交問題に発展したような複雑で困難な問題が起きているときこそ、過去の日本人が苦労して友好を続けてこられたことに思いをはせ、この東近江市に暮らす者として、今後も場岩面との姉妹都市や統營市との文化交流が続くことを願い、意見書には反対をいたします。
議員諸氏の賛同をお願いし、討論を終わります。
○議長(市木 徹) ほかに討論はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 以上で、討論を終結します。
採決します。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
意見書案第2号、元慰安婦等による
日本政府に対する
損害賠償請求訴訟に関する
韓国ソウル中央地方裁判所の判決に対し断固たる措置を求める意見書を
委員長報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(起立多数)
○議長(市木 徹) 着席願います。
不規則発言はやめてください。
起立多数であります。
よって、本案は
委員長報告のとおり可決することに決しました。
お諮りします。
ただいま
意見書案第1号及び
意見書案第2号が議決されましたが、宛先、その他整理を要するものについては、その整理を議長に委任されたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 御異議なしと認めます。
よって、宛先、その他整理については、議長に委任されることに決しました。
△日程第4 会議案第1号、提案説明、質疑・討論・採決
○議長(市木 徹) 日程第4、会議案第1号を議題といたします。
提出者に提案理由の説明を求めます。
議会運営委員会委員長、西﨑議員。
暫時休憩します。
午前11時43分 休憩
午前11時45分 再開
○議長(市木 徹) 再開します。
議会運営委員会委員長、西﨑議員。
○議会運営委員長(西﨑 彰議員) 大変申し訳ございませんでした。私の不徳の致すところでございます。
それでは、
東近江市議会会議規則の一部を改正する規則の制定について、一読させていただきます。
東近江市議会会議規則(平成17年東近江市議会規則第1号)の一部を次のように改正する。
第2条第1項中「事故」を「公務、疾病、育児、看護、介護、配偶者の出産補助その他のやむを得ない事由」に改め、同条第2項中「日数を定めて」を「出産予定日の6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)前の日から当該出産の日後8週間を経過する日までの範囲内において、その期間を明らかにして」に改める。
第84条第1項中「事故」を「公務、疾病、育児、看護、介護、配偶者の出産補助その他のやむを得ない事由」に改め、同条第2項中「日数を定めて」を「出産予定日の6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)前の日から当該出産の日後8週間を経過する日までの範囲内において、その期間を明らかにして」に改める。
第132条第1項中「、請願者の住所及び氏名(法人の場合にはその名称及び代表者の氏名)」を「及び請願者の住所」に改め、「請願者が」の次に「署名又は記名」を加え、同条第3項を同条第4項とし、同条第2項中「請願を」を「前2項の請願を」に改め、同項を同条第3項とし、同条第1項の次に次の1項を加える。
2 請願者が法人の場合には、邦文を用いて、請願の趣旨、提出年月日、法人の名称及び所在地を記載し、代表者が署名又は記名押印をしなければならない。
附則
この規則は、公布の日から施行する。
以上です。
○議長(市木 徹) 説明は終わりました。
会議案第1号について、質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 質疑なしと認め、質疑を終結します。
ただいま議題となっております会議案第1号については、会議規則第37条第2項の規定により、委員会付託をせず、討論・採決に入ります。
討論はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 討論なしと認め、討論を終結します。
会議案第1号、
東近江市議会会議規則の一部を改正する規則の制定についてを採決します。
会議案第1号を原案のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 御異議なしと認めます。
よって、本案は原案のとおり可決することに決しました。
△日程第5
議会運営委員会の閉会中の継続調査の件
○議長(市木 徹) 日程第5、
議会運営委員会の閉会中の継続調査を議題とします。
議会運営委員会委員長から、会議規則第104条の規定により、お手元に配付のとおり、
地方自治法第109条第3項に規定する所管事務に関する事項について、閉会中の継続調査の申出があります。
お諮りします。
委員長の申出のとおり、これを閉会中の継続調査とすることに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(市木 徹) 御異議なしと認めます。
よって、委員長の申出のとおり、閉会中の継続調査とすることに決定しました。
○議長(市木 徹) 以上で、本日の議事日程は全て終了しました。
ここで市長から発言を求められていますので、これを許可します。
市長。
○市長(小椋正清) 令和3年3月市議会定例会の閉会に当たりまして、御挨拶を申し上げます。
3月1日から25日間にわたる本定例会におきまして、議員の皆様には、御提案申し上げました令和3年度予算をはじめ、各議案につきまして、慎重かつ熱心に御審議いただき、それぞれに適切な御決定を賜り、誠にありがとうございました。
代表質問・一般質問の中では、議員の皆様から、私の3期目の市長就任に当たりましての所信のほか、令和3年度施政方針及び予算につきまして、大変多くの御意見を賜ったところでございます。
また、各
常任委員会におきましても、新年度予算の各事業などについて重点的に御審議をいただきました。
これらの貴重な御意見につきましては、真摯に受け止めさせていただき、引き続き本市の有する地理的優位性、潜在的な成長力を最大限に生かし、子育て支援や若年層の転出抑制、福祉・医療の充実、都市基盤の整備をはじめ商工業や農業、観光の活性化等々、市民の皆様の熱い御期待にしっかりと応え、10年先、20年先の未来を見据えた様々な施策を前進させ、強く豊かな東近江市の実現のため、より一層努力をしてまいりたいと考えます。
今後、加速化する少子高齢化に伴います社会構造の変化や
新型コロナウイルス感染症の感染拡大がもたらした社会や経済活動の変革の中で、戦後の経済至上主義から心の豊かさを求める社会へと、人々の価値観が大きく転換しつつあるものと認識いたしておりまして、このことは、様々な資源を有する本市にとって大きなチャンスになるものではないかと考えております。
現在、6月議会で提案いたします令和3年度の
政策予算に係る編成方針の示達に向け、準備を進めているところでございます。
喫緊の課題であります
ワクチン接種をはじめとする
新型コロナウイルス感染症対策に万全を期しながら、市民生活の安定や社会経済活動の維持、回復を図ることはもとより、これまで進めてきた地方創生の歩みを止めることなく、短期的に対応できる課題については、スピード感を持って、長期的な視点が必要な課題については、しっかりと地に足の着いた政策として進めることを念頭に、魅力あるまちづくりに資する予算として取り組んでまいります。
鈴鹿の山々から琵琶湖までが一つの市域となった森里川湖の多様性のある自然の上に、千年を超える歴史・文化・伝統が蓄積された私たちのふるさと東近江市こそが、すばらしい価値を有する地であると確信いたしておりまして、その地域資源をしっかりと磨き上げるとともに、このスケールメリットを最大限に生かし、クオリティーの高いまち「東近江市」の創生を目指し、取り組んでまいりたいと考えております。
議員の皆様をはじめ市民の皆様には、共にすばらしい東近江市を創り上げていくことができますよう、格段の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
さて、世界各国で
新型コロナウイルス感染症から国民の命を守るため、蔓延防止、医療の提供等について、総力を挙げて、その対策が講じられておりますが、今なお感染の収束には至っておらず、これまでに世界での感染者は1億2,000万人、死者は270万人を超え、国内の感染者は46万人近くに迫っている状況であります。
さらに、感染性や伝播性の強い変異株と呼ばれるウイルスが国内でも確認されております。
県内では、これまでに2,700人を超える感染が報告されております。本市におきましては、現時点で154人の感染者を確認しておりまして、引き続きその動向を注視していかなければならないものと考えております。
今後、
ワクチン接種が開始されますが、この感染症は、まだしばらくの間、私たちに我慢を強いることと思います。
市民の皆様には、感染リスクに対して、引き続き気を緩めることなく、感染症予防を徹底していただき、マスクの着用、小まめな手洗いや換気、また密を避け、感染者が多数確認されている地域への不要不急の外出はできるだけ控えるなどの対策と十分な体調管理に努めていただくよう、改めてお願い申し上げる次第でございます。
あわせまして、この感染症によります人権侵害は、大変な深刻な問題であると私は捉えております。
正しい情報に基づく冷静な判断や行動を取っていただいて、お互いの人権を尊重し、感染者やその家族などに対する心ない誹謗中傷は、厳に慎んでいただきたいと思う次第であります。
こうした状況の下で、本市におきましては、
新型コロナウイルス感染症対策、とりわけ
ワクチン接種は、直面する大きな課題でございます。
ワクチンの配布など目まぐるしく状況が変わっていく中で、東近江医師会の御協力の下、いかに混乱やトラブルなくスムーズに接種ができるかを第一に、まずは集団接種に向けた準備を整えて、現在、進めているところでございます。
本市におきましては、3月30日に65歳以上の高齢者約3万1,000人に対し接種券を送付することといたしておりまして、その方々の予約開始が4月19日といたしております。
65歳以上の高齢者の集団接種は、5月10日から開始したいと考えておりまして、接種会場は市内4か所を予定しております。
具体的には、ショッピングプラザアピア、旧湖東保健センター、能登川コミュニティセンターの隣にありますやわらぎホール、そして蒲生支所を予定いたしております。
また、3月15日には、市のコールセンターを設置し、
ワクチン接種について、電話による相談を開始しておりまして、市民の皆様の御心配等への対応に万全を期しているところでございます。
今後も、市民の皆様には、適時・適切に必要な情報をお知らせしてまいりたいと考えております。
ワクチン接種は強制ではありませんが、正しく理解していただいた上で、感染の収束に向け、できるだけ多くの市民の皆様に可能な限りワクチンの接種をしていただくよう、この場においても私からお願いをしておきたいと思います。
また、本定例会におきまして、コロナ禍が続く中で懸念されます地域経済の低下に対応する経済対策といたしまして、第七弾となります新年度予算を可決していただいたところでございます。
市内経済団体と連携し、キャッシュレス決済を活用したポイント還元事業や、収入が大幅に減少した宿泊業と飲食業の事業者を対象に、事業継続を後押しする支援金の交付事業などの新たな市独自の支援策を講じるとともに、中小企業、小規模事業者へのセーフティネット資金の利子補給であるとか、近江牛の肥育農家に対する経営安定化のための支援、また、幼児施設や小・中学校における感染症対策を引き続き行うこと、こういった施策を講じることとしております。
これまで講じてまいりました様々な対策の効果を検証しながら、各取組の効果が十分に発揮されますよう、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
感染症対策の第七弾におきましては、近江鉄道に対する支援策も盛り込んだところでございますが、去る3月22日に開催されました第6回目となります近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会において、懸案でありました構成市町の負担割合について合意に至りました。
引き続き、県、鉄道事業者、沿線市町及び沿線住民が一体となり、近江鉄道線の利用促進や利便性向上を強力に進めてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解と御支援をよろしくお願い申し上げる次第でございます。
昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、大変多くのイベントや行事が中止になり、様々な制限の中での日常生活を余儀なくされてきたところでございます。
特に、子どもたちは、幾つもの制限が強いられた中で学校生活を送ってきたものと感じております。
こうした中で、次世代を担う子どもたちに「最高の思い出」をプレゼントしようと、市内の各種団体や各学校のPTA、事業者など多くの市民の皆様が実行委員会を立ち上げ、来る3月27日に市内7地区で打ち上げる「ひがしおうみ大花火大会」の準備を進めていただいております。
関係する皆様の心温まる取組に敬意を表しますとともに、子どもたちには、市民の皆様からの心の籠もった思い出と感謝を胸に、4月からの希望に満ちあふれた新たな道に大きく羽ばたいてくれることを願っております。
年度が変った4月3日には、東近江市総合運動公園布引陸上競技場に県下初となります電光掲示板の完成を記念して除幕式を行うこととしており、そのこけら落としとして、ジャパンラグビートップチャレンジリーグの決勝戦と3位決定戦を開催するなど、明るい話題もございます。
さて、春は出会いと別れの季節でもあります。本市におきましても、コロナ禍の中で様々な工夫をしていただき、小・中学校の各卒業式が、各認定こども園では卒園式が執り行われました。保護者や先生方、関係する皆さんで、子どもたちの成長の喜びを分かち合われたことと思います。
本市では、この3月末をもちまして、これまで市勢発展のために尽力してきていただきました44名の職員が退職され、4月からは、それぞれに新しい道を歩んでいかれることとなります。退職者の皆さんの今後の御活躍を心からお祈りしたいと思います。
一方、4月1日からは42名の新しい職員を迎えることとなっておりまして、市勢発展と市民福祉向上に向けて新たな推進力となることを大いに期待するところでございます。
今年の冬は、例年になく全国的に積雪がございましたが、早くも桜の開花が各地から伝えられております。まだまだ花冷えと言われる寒い日もございますが、一雨ごとに暖かい日が多くなり、春の訪れを感じる季節となりました。
議員各位におかれましては、新型コロナウイルスの感染対策とともに、季節の変わり目の寒暖差により体調を崩されませんよう、どうか十分に御自愛をいただき、市勢発展のために一層御活躍をいただきますよう心からお願い申し上げまして、3月定例会閉会に当たりましての挨拶とさせていただきます。
大変ありがとうございました。
○議長(市木 徹) これをもちまして、令和3年3月東近江市議会定例会を閉会します。
御苦労さまでした。
午後0時05分 閉会
地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。
令和3年3月25日
東近江市議会議長 市木 徹
同 議員 西﨑 彰
同 議員 安田 高玄...